音楽理論のすゝめ(持論)Part1「基本のき」

挨拶

初めまして、全課2回生のMtです!
僕はこれからアドカレの4~6日目を担当します!

今日から3日間書かせていただくのは、「音楽理論」についてです!
この3日間では、僕が3年かけて知った、あるいは気付いた、考えた知識を、
これを見るあなたが成るべく近道できるように置いておくものになります。
が、ここで最初に断っておきます。

音楽理論は、押し付けるものではありません!

この世の中には音楽を感覚的に理解している人もいるし、言語化された知識があった方がセンスの伸ばし方が分かるようになる人間もいます(僕は後者でした)。
なので、

この講座は必須ではないことは先に言わせていただきます。
そんな音楽理論ですが、やはりと言いますか、この世の中には
大量の情報が既にあふれています。
本当に大量に。
そんな中でも、皆さんはこう思うはずです。

「どうすれば直ぐに曲が上手く作れるようになるの?」

正直に言うと、たくさん考えて(ここ重要)作って音を置いて調整して……を繰り返すことが最強なのですが、いくら努力して考える上でも「音の並び」という最低限の知識がないと違和感の残る音遣いになってしまうこともあります。
そこで今回は、「基本のき」と称しまして、学ぶときにまず知っておくべき「基本知識」を解説していこうと思います。
(内容としてはかなり基本の話から始めるので、自分の必要なところから読んでみて下さい。)

音名

まずは音の名前をそれぞれ定めていきたいと思います。
というのも、音にはいろいろな名前の付け方があります。一番皆さんが知っているものだと、「ドレミファソラシド」が挙げられると思います。
もちろんこの名前で理解することも可能ですが、ネット上の様々な解説サイトを見てみると、この名前がそのまま使われていることはむしろ少ないのではないかと思います(僕の偏見あり)。
そのため、ほとんどのサイトで通用するであろう名前の付け方をここで紹介します。
それは、音階に英語のA~Gまでを対応させたものです。

スクロールできます
よく見るものド#/レ♭レ#/ミ♭ファファ#/ソ♭ソ#/ラ♭ラ#/シ♭
紹介する名前CC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭B
音名対応表

ここからは、音階を下のA~Gを用いて説明する事にします。

音階の存在

では、さっそく始めていきましょう。
最初にお話しするのは、「音階」についてです。
この音階、とても基本的なことではありますが、応用するうえでも必須な知識だと思います。
ですので、ここからしっかり説明していきます。

音階とは?

そもそも「音階ってなんやねん」て方に説明します。
音階(ここでは説明のためにスケールとも呼ぶことにします)とは、どの音をどの順番で選ぶかの方法になります。
これだけ聞いても分からないと思うので、例を紹介します。
まず、ピアノなどの鍵盤をイメージしてください。

簡略化された鍵盤の図

この鍵盤上で音の並び方を考えます。
ここからどの音をどういう順番で選ぶかによって曲自体の雰囲気が決まってきます。

メジャースケール

まずは、「メジャースケール」と呼ばれるものです。
スケールを学ぶ上で一番わかりやすい、Cのメジャースケールと呼ばれるものから紹介していきます。
鍵盤の白色の部分(白鍵)の音を、Cの音から順に並べていきます。
これが「Cメジャースケール」です。

Cメジャースケールの音


1番よく知られているスケールでもあり、特徴としては、明るい素直な雰囲気を感じられると思います。
ただここで気になる人もいるはずです。
鍵盤の黒い部分(黒鍵)は使わないのか。

実は、メジャースケールは1つではないのです。
A~G#の12種類存在します。

メジャースケールの作り方

ここで、作り方を説明するにあたって音の間隔の単位である「全音」と「半音」について触れておきます。
鍵盤を見たとき、黒鍵を含めて隣り合った音が「半音」、
1音挟んだ先の音が「全音」と呼ばれます。

さて、ここでもう一度Cメジャースケールの音の並びを見てみましょう。
Cメジャースケールの全音、半音の関係を見てみると、
Cの音から数えて

全音-全音-半音-全音-全音-全音-半音

この並びになっていることが分かります。
この並びが重要です。
これこそがメジャースケールを
メジャースケールたらしめる理由になります。
この並びを崩さないようにC以外の音から始めると、その音から始まるメジャースケールが得られます。

マイナースケール

先ほどまでメジャースケールを紹介しましたが、もちろんメジャーに対してマイナーも存在します。
が、マイナースケールには主に3つほど種類があります。
今回はその中でも「ナチュラルマイナースケール」と呼ばれるものを紹介します。

マイナースケールの作り方

それでは、メジャースケールと同じように全音と半音の並びを見てみます。
マイナースケールでは、

全音-半音-全音-全音-半音-全音-全音

この並びになります。
この並びでつくられたものがマイナースケールと呼ばれます。
こちらも同様に、この並びが大事になります。
例えば、Cから初めてこの並びで作ったものはC(ナチュラル)マイナースケールと呼びます。

C(ナチュラル)マイナースケール

基本的に音楽は、このように決まった並びを用いて雰囲気をつくります。

逆に、このスケールを守らずに作ると複雑で、下手をしたら破綻してしまう事にもつながったりします。

曲の雰囲気

さて、ここまでで曲全体の雰囲気を決定づける「スケール(=調)」の基本を書きましたが、音楽を構成する重要な要素にハーモニーが存在します。
ハーモニーは音の重なりです。皆さんが聴くほとんどの楽曲では、1オクターブが12音の世界で作られています。
この12音(オクターブ含めるとさらにたくさん)の重ね方によってその瞬間瞬間の雰囲気が変わっていきます。
この音の重なり方を重視して、雰囲気を考えたものが「コード」です。
この「コード」はとても面白く奥が深いもので、この考え方のみで「コード理論」と一括りに考えられることもあるほどです。
ひとまず今日は、曲を作るにあたって絶対に知っておくべきコードの基礎を記していきます。

※ここで注意です。

コード理論は奥が深く現在も様々考えられているものであり、尚且つ僕が書くこの記事群は「僕が学んできたうえで正しいと感じたもの」を書いていきます。
僕よりも学が深く博識な方も沢山いらっしゃる上での発言ですので、是非間違いや補足などがあれば僕に教えて頂きたい所存です。
また、上記にある通り僕の主観が大部分を占めるものにもなりますので、
最終判断はあくまであなた方自身の良いと思うもので音楽を作っていただきたいと思っています。
(抑々音楽もその理論も人々の主観を集めたものに他ならないので……)

基本のコード

ここからはまず、基本のコードの作り方(音の選び方、重ね方)を説明していきたいと思います。
まずはメジャースケールから考えていきます。

メジャースケールでのコード

まずは分かりやすくするため、Cのメジャースケール上で考えていきます。
基本的にコードの作り方は、
スケール上のある音からスケール内の音を1音飛ばしで重ねて作ります。
例えば、Cから始まるCメジャースケールのコードは
C, E, Gを順に重ねたものになります。(この始まりの音を、そのコードのルート音と呼びます。
この先学ぶコード進行においてルート音は非常に大きな意味を持ちます。)
このように重ねたものを表にまとめると、次のようになります。

スクロールできます
開始の音CDEFGAB
重ね方C, E, GD, F, AE, G, BF, A, CG, B, DA, C, EB, D, F
音に対する重ね方

このように音をいくつか重ねたものを和音と呼び、この表のように3つの音が重なったものを3和音と呼びます。
また、この和音はさらに音を重ねることができ、音を重ねるにつれて複雑な音色になっていきます。
例えば、さらにもう一つ間をあけて音を重ねたものは4和音と呼ばれます。

スクロールできます
開始の音CDEFGAB
3和音C, E, GD, F, AE, G, BF, A, CG, B, DA, C, EB, D, F
4和音C, E, G, BD, F, A, CE, G, B, DF, A, C, EG, B, D, FA, C, E, GB, D, F, A
3和音と4和音

このように、そのスケールを構成する音のみで作られた和音を「ダイアトニックコード」などと呼んだりします。

メジャースケールの一般化

今見てきたのはCのメジャースケールについてでした。
しかし、先ほどに記述した通りメジャースケールにはルート音の違いで12種類存在します。
ただ、音の並び自体は勿論変わらず、その音の機能(今は能力的なものと思っていただければ大丈夫です)も変わらないとされています。
そんな中でいちいち「〇〇メジャースケールの〇〇をルート音にしたコード」などと言っていてはわかりにくいと思います(少なくとも過去の僕はそう感じていました)
そのため、メジャースケール上では音の並びが変化しないことを用いて、
メジャースケールを構成する音にそれぞれローマ数字で番号を割り振ることにします。
例えば、CメジャースケールのIIIはE、VはG、IはCといった具合です。
この数字を「ディグリーネーム」と呼び、これを12種類のメジャースケールに対応させたものがこちらです。

スクロールできます
スケールCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭B
ICC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭B
IIDD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭
IIIEFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭
IVFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭E
VGG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭
VIAA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭
VIIBCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭
ディグリーネームとルート音の対応

マイナースケールでのコード

それでは、メジャースケールと同様に(ナチュラル)マイナースケールでもコードを作ってみましょう。
ひとまず簡単のため、C(ナチュラル)マイナースケールで考えていきます。
最初に3和音のみまとめると、このようになります。

スクロールできます
開始の音CDE♭FGA♭B♭
重ね方C, E♭, GD, F, A♭E♭, G, B♭F, A♭, CG, B♭, DA♭, C, E♭B♭, D, F
音に対する重ね方

ここで分かるように、コードの基本的な作成方法は全く同じで、スケールの中の音で1つ飛ばしで重ねて作られます。
また、マイナースケールも同様に4和音以上の音を作ることができます。

スクロールできます
開始の音CDE♭FGA♭B♭
3和音C, E♭, GD, F, A♭E♭, G, B♭F, A♭, CG, B♭, DA♭, C, E♭B♭, D, F
4和音C, E♭, G, B♭D, F, A♭, CE♭, G, B♭, DF, A♭, C, E♭G, B♭, D, FA♭, C, E♭, GB♭, D, F, A♭
3和音と4和音

こちらもまた、マイナースケールの「ダイアトニックコード」となります。

マイナースケールの一般化

さて、ここまで来たらやることは同じです。ディグリーネームを用いてどの音から始めても大丈夫なようにします。
こちらのディグリーネームは、メジャースケールのディグリーネームを基に♭を付けて考えます。
注目するべきポイントとしては、メジャースケールの時との違いです。

スクロールできます
スケールCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭B
ICC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭B
IIDD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭
III♭E♭EFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭D
IVFF#/G♭GG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭E
VGG#/A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭
VI♭A♭AA#/B♭BCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭G
VII♭B♭BCC#/D♭DD#/E♭EFF#/G♭GG#/A♭A
ディグリーネームとルート音の対応

このように、一部が♭(半音下がる)することによって雰囲気が変わって聞こえるようになっています。

コードの名前

さて、ここまで「コード」の存在と作られ方を学んできましたが、

いちいち細かく「C, E, G」とか書くの、

面倒ですよね???

そこで先人たちは、コードの名前の付け方をしっかり考えています。
今からそれらを学んでいきましょう。


ここまで様々なところで、「音の並び、間隔が重要だ」と言っていました。
それは、そもそも音がどのように重なっているかが雰囲気を決定付けているといっても過言ではないからです。
紹介していきます。

メジャーコード

まずは、メジャーコードと呼ばれるものです。重ね方としては、
ルート音から3音2音の順で間を空けて重ねたものです。
例としては、メジャースケールのIから数え始めたものやIV、Vから数え始めた3和音のコードなどが該当します。
(key=CのC, E, Gなど)
この音は基本的に明るくまっすぐなイメージを持たれることが多いです。
ディグリーネームを用いた書き方としては、例えばIのメジャーコードならIM、若しくは単にIと書かれます。

マイナーコード

次に、マイナーコードです。重ね方としては、
ルート音から2音3音の順で間を空けて重ねたものになります。
例としては、(ナチュラル)マイナースケールのIから数えるコード、メジャースケールのIIから数える3和音のコードなどが該当します。
(key=CmのC, E♭, Gなど)
この音は基本、まっすぐ暗いイメージが持たれやすいと思います。
ディグリーネームでの表記ですと、例えばIのマイナーコードならImと表記されます。

ディミニッシュコード

次に、ディミニッシュコードです。このコードが、素直に3和音を重ねてできるコードの最後の形になります。重ね方としては、
ルート音から2音2音の順で間を空けて重ねたコードを指します。
例としては、メジャースケールのVIIから数えるコード、(ナチュラル)マイナースケールのIIから数える3和音のコードなどがあります。
(key=CのB, D, F)
この音は、マイナーコードよりもさらに暗く、濁った音に聞こえると思います。このコードは単体で聞くと強烈な印象を覚えるかもしれませんが、実際の楽曲でもたくさん、特に感情的な部分に使用されることが多いものでもあります。
というのも、この「音の濁り」が重要で、この音の濁りをどのように処理するかがコード理論の本質の一部だったりします。
ディグリーネームでの表記では、例えばIのディミニッシュコードならIdimと表記されます。

基本3和音のまとめ

メジャースケールのどの基本形も、マイナースケールのどの基本形も、3和音であれば
ここまでまとめた3種類で表現ができます。
基本的にはこれらを用いることで、「音楽」として最低限必要な要素の一つ、
コードが作られます。

本日の終わり

ひとまず本日は、以下の事を学びました。

  • 音の名前
  • 音階
  • メジャースケール、(ナチュラル)マイナースケール
  • コードの組み方
  • 基本3和音

次回では、これらから広げて4和音の時の名前の書き方コード進行とは何か
そして僕なりの良いコード進行とは、という内容でお送りしようと思います。

ここまで見て頂きありがとうございました!

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